レバノンに逃亡したカルロス・ゴーン氏。
居場所が判明しているのに、ゴーン氏を逮捕できない理由はなぜなのか??
それは、日本とレバノンの間に【犯罪人の引き渡し条約】がないからですよね。
それでは、このままゴーン氏を捕まえられないまま終わってしまうのか??
捕まえるにはどうしたら良いのかを考察予想してみました!!
ゴーンを逮捕できない理由はなぜか?もう捕まえられないのか?
まず、ゴーン氏を捕まえれない理由としては皆さんご存知の通り、
「日本-レバノン間では、犯罪人引き渡し条約を結んでいないから」
というのが絶対的な理由です。
そもそも、日本国が犯罪人引き渡し条約を締結しているのは【アメリカと韓国】だけなのです。
そして、日本には死刑制度があるだけでなく、拷問に近い取り調べも日常茶飯事です。
しかも、日本の司法制度は世界各国と比較すると、【人権を無視している】とも批判されていますしね。
だからこそ、どの国も日本と引き渡し条約なんか結びたくないのです。
ゴーンを手っ取り早く捕まえるには、レバノンの温情に頼るしかない??
でも、もしもレバノンが自主的に動いてくれれば、【ゴーン氏を逮捕 → 身柄の送還】は可能です。
もしくは、日本政府がレバノン政府にお願いをして、ゴーン氏を強制送還してもらえれば・・・すべてが丸く収まることでしょう。
しかし、レバノン政府は、ゴーン氏の送還に積極的ではありません。
そもそも、引き渡し条約を結んでいないことも大きな理由ですが、ゴーン氏がこれまでにレバノンに貢献してきた実績も計り知れないほど大きいのです。
なぜなら、レバノン大学を筆頭に多くの寄付をしてきたゴーン氏。
その理由を、長年ゴーン被告を取材してきた、ジャーナリストの井上久男氏は、「日産の経営者として成功したあとに、ゴーン被告はレバノンの大学などに多額の寄付をしている。こういう事件がなければレバノンの大統領になるのではないかと言われるくらい非常にレバノンでの人気が高まっていたという部分はある。(逃亡後)大統領とも会ったという一部報道がありますから、国家の最高首脳とのパイプがあるとみていいんじゃないでしょうか」と話した。
このように、ぶっちゃけ、カルロス・ゴーン氏はレバノンの英雄といっても過言はないでしょう。
このように、
\ レバノン政府が動かない理由 /
- 引き渡し条約をそもそも結んでいないから。
- レバノンにとってゴーン氏はヒーロー的存在だから。
なので、レバノン政府がゴーン氏の身柄受け渡しに対して、積極的に動くことはない。
もちろん、何かしらの政治的なメリットがあれば、ゴーン氏を捕まえて日本に引き渡してくれるかもしれません。
この辺りは、日本政府の交渉力次第です。
だけど、レバノン大学をはじめ、ゴーン氏を恩人とするレバノン人が多いなかで引き渡しに動けば、レバノン政府の国内からの支持率低下は免れません。
なので、レバノン政府の温情に頼る方法で、ゴーン氏を逮捕するのは不可能に近い。
このように、ゴーン氏が捕まるかどうかは、かなり可能性が低いと思われます。
引き渡し条約も温情もなしで捕まる可能性はゼロ?ゴーン氏を捕まえるにはどうしたら良いのか?
それでは、レバノン政府に頼れない現在、日本はどうすれば良いのか??
ゴーン氏を捕まえたい!日本警察・東京地検特捜部の次の一手とは?
国外逃亡をしたカルロス・ゴーン氏をみて、日本が指をくわえて黙っているワケがありません。
すでにニュースなどで報じられているように、インターポール(国際刑事警察機構)を通じて赤手配書を要請した日本政府。
そして、レバノン政府は赤手配書を受領し、ゴーン氏の事情聴取がすでに始まっています!!
(ただし、赤手配書は厳密には逮捕状ではなく、暫定的な身柄の拘束までの効力。)
しかも、日本からの裁判記録がレバノン当局に到着するまで、ゴーン氏の出国も禁止となりました。
日本との引き渡し条約を結んでいないとは言え、さすがにインターポールからの要請に動かざるを得なかったレバノン。
さらに、日本にて疑われた犯罪内容によっては、レバノンでの裁判の可能性も現実味を帯びてきています。
そのため、レバノンでの裁判という展開にはなりますが、ゴーン氏に疑われている罪の追求も可能性が高い。
日本としては、ゴーン氏を捕まえて自国での裁判の続きをしたいでしょうけど、最低限、レバノン当局による裁判にはこじつけられるかもしれません。
たとえ、ゴーン氏を捕まえれない結末になっても・・・勝ち逃げにならない。
ただし、レバノンにおいてゴーン氏への法的措置の必要性が無いと判断されてしまったら、ゴーン氏は自由の身となってしまいます。
たとえば、上でも書いたように、ゴーン氏のこれまでのレバノンに対する寄付の貢献度合いによっては、レバノンの裁判所がゴーン氏に有利となる判決を出す可能性も大いに予想されます。
そうなると、やはり、何とかしてゴーン氏を捕まえられないか??と、日本側は悔しい気持ちでいっぱいでしょう。
ですが、ゴーン氏が自由の身になれたとしても、違法出国をした事実は明白です。
そして、世界中の誰もがゴーン氏の国外逃亡+違法出国を目の当たりにした今回の一件。
たとえ、ゴーン氏が日産社長時代に犯した罪が無罪となっても、国外逃亡+違法出国をした人間性には世界中から白い目で見られているはず。
つまり、ゴーン氏が裁判で勝てたとしても、今回やってしまった国外逃亡+違法出国によるイメージ悪化が著しい。
なので、私の個人的な意見としては、ゴーン氏を捕まえられる・捕まえれないのどちらに転んでも、ゴーン氏のダメージは計り知れないと思いますね。
要するに、ゴーン氏の勝ち逃げという結末にはならないでしょう。
加えて、今回の日本脱出には約16億円の費用が掛かったとされていますし、それ以前に保釈金15億円も没収されてしまっています(つまり、合計で30億円前後の損失)。
このように、世間からのイメージ悪化だけでなく、約30億円超のマイナスも被ったゴーン氏。
どう考えても、たとえ無罪放免になっても勝ち逃げではないでしょう。
まとめ-ゴーン氏を逮捕できない理由はなぜか
以上のように、ゴーン氏を逮捕できない理由について書いてきました。
ひとまず、日本政府はインターポールの赤手配書を申請したことで、レバノン当局によるゴーン氏の事情聴取までは実現ができています。
しかし、赤手配書は逮捕状ではなく、暫定的な身柄の拘束までの効力です。
もし、ゴーン氏に疑われている罪について、レバノン当局が裁判を必要と判断すれば、レバノンでの裁判が実現しそうです。
ただし、ゴーン氏にはレバノンへの寄付の実績があるので、場合によってはレバノンでの裁判で大きな罪に問われないかもしれません。
もしくは、裁判が必要ないとレバノン当局が判断する可能性もあります。
つまり、ゴーン氏を捕まえるには、レバノン当局の動き次第に大きく頼ることになりますね。
なので、ゴーン氏を捕まえられないだけでなく、日本の法律で重い罰則を与えることは難しいかもしれません。
とは言え、今回の国外逃亡でゴーン氏には十分に大きなダメージがあり、それは、
\ ゴーン氏のダメージは超デカイ /
- 違法出国によるゴーン氏のイメージ悪化はとても大きいこと。
- 巨額の保釈金+逃亡費用でおよそ30億円の出費があったこと。
ですね。
つまり、たとえゴーン氏を捕まえられない結末になったとしても、ゴーン氏は十二分に罰を受けているのではと思います。
もちろん、正式な日本での裁判を受けた上で、ゴーン氏の有罪 or 無罪を決めるべきですし、裁きの内容に応じた罰則を課すべきでしょう。
しかし、世界的なイメージダウン+巨額の出費を受け入れざるを得なかったゴーン氏。
裁判で有罪になった場合よりも、非常に重い罰則になってしまったのでは??と私は感じますね。
国外逃亡したことで、ゴーン氏は本来受けるべき罰則よりも大きなダメージを受けてしまった。
なので、ゴーン氏を捕まえられない事態に陥ったとしてもOKかなと私は感じています。
さらに、もしかすると、レバノン当局が裁判の必要性を判断したら、
\ さらなる追い打ちもありえる /
- 海外逃亡費用の16億円。
- 保釈金没収の15億円。
- 国外逃亡による人間性のイメージ悪化。
- +α【裁判による正式な罰則による追い打ち】
という2段構えでゴーン氏のダメージが膨れ上がってしまいます。
以上のように、ゴーン氏が逮捕できないままであっても十分に罰を受けているし、逮捕できたらもっとダメージを受けさせれてしまうワケですからね。
ゴーン氏は逃亡したことで、自らの首を締めてしまったと言えます。